ストーカー防止法について(1)ストーカー防止法の目的は、「ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手 方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資すること」にあります。
(2)規制の相手方は、限定されていません(配偶者、元配偶者を含みます)。
(3)8類型のつきまとい等とつきまとい等を反復するストーカー行為(恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的に限ります。)が規制対象となります。
(4)被害者の救済方法としては、下記のようなものがあります。
- 被害者の住所地を管轄する警察本部長等に対してつきまとい等に係る警告を求める申出をする。
- ストーカー行為に対して告訴により処罰を求める。
- 警察本部長等に対して、ストーカー行為またはつきまとい等について被害を自ら防止するための援助の申出をする。
- 警告に従わず、つきまとい等が行われた場合には、都道府県公安委員会が禁止命令を発令する。
保護命令について(1)保護命令の申立人は、被害者本人に限られます。
(2)保護命令の相手方は、「配偶者」です。
(3)保護命令には、被害者の身辺への「つきまとい」や「はいかい」を禁止する「接近禁止命令」と、住居からの退去を命じる「退去命令」の二つがあります。
(4)(A)接近禁止命令の要件は、以下のとおりです。
- 被害者が配偶者から暴力を受けた者である場合は、「さらなる配偶者からの暴力により生命または身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと」
- 被害者が配偶者から生命等に対する脅迫を受けた者である場合は、「配偶者から受ける身体に対する暴力により、生命または身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと」
(B)退去命令の要件は、
上記1.2.に加え、3.申立て時に、被害者が相手方と「生活の本拠を共にしていること」になります。
(5)接近禁止命令の期間は、6ヶ月、退去命令の期間は、2ヶ月です。
退去命令には、執行力がないため、配偶者を強制的に退去させることはできません。しかし、退去命令に違反すると1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。